北区の介護保険を考える - 2025年7月 区政リポート

北区の介護保険

これでいいのか北区の介護保険!

区立3特養大規模改修費100億円問題を考える

北区立の3つの特別養護老人ホームの大規模改修費がけた外れに高額です。この3施設の大規模改修費だけで約100億円近くの北区の税金が使われます。2022年度に「つつじ荘」が約21億円、2024度は「あじさい荘」が約30億円を使って1年半の大規模改修工事が終えました。

本年秋より開始する「やまぶき荘」の修繕費に至っては、約42億円です。合計約93億円の他に、改修中に、「旧浮間さくら荘」に転居する介護報酬等の減収補填として約13億円、工事請負金額が2億円追加、合計は約100億円です。

これらは区立のため、すべて北区の一般会計から支出します。100億円は北区民の血税です。そもそも「あじさい荘」は建築されてから26年、「やまぶき荘」は、わずか24年の新しい特養です。100億円の大規模改修は本当に必要だったのでしょうか。

本来、定員100人程度の特養改修費は5億円程度です。王子光照苑が7年前に大規模改修を行った費用は約2億円でした。一般的に、特養改修費は、鉄筋コンクリートの場合、坪あたり約21 万円が相場です。「やまぶき荘」2,100坪の床面積で計算すると総額、約4億4千万円になります。

民立の場合、東京都の特養改修費の補助は最大約9千万円程度なので、5億円の修繕費の場合、残りの約4億円は自己資金で賄います。

なぜ区立は民立より数倍も修繕費が高くなるのか、理解できません。建築資材や人件費の高騰だけでは説明がつかない、積算根拠を示してほしいです。通常、定員100人の特別養護老人ホームを新設すると約20~25億円程度であるとのこと。

つまり、「やまぶき荘」の改修費で、特別養護老人ホームを新たに2施設作れた計算です。北区では、まだ特養待機者が約600人います。待機者が早く、平等に入居できるように、区内に新しい特養を作ることが本来の税金の使われ方ではないでしょうか。

やまぶき荘

「やまぶき荘」の改修費に使う42億円があれば、老朽した水道管の工事費、新しい特養の開設、介護職員の処遇改善や人材確保、介護施設や民間事業者の経営支援、訪問介護の報酬のアップ、介護保険料の減額など、様々なことに使えました。北区の介護事業者が倒産、廃業に追い込まれる中、区立3特養だけがこれだけ、補助金で優遇されるのは、私も含めて、介護施設や事業所を経営しているものにとって納得がいきません。

憲法89条には公の支配に属しない慈善又は博愛の事業に対する公金の支出を禁止しています。そのために社会福祉法人制度が制定されました。よって公金を福祉事業に支出することは、より厳格に財務状況や内部留保を精査する必要があります。なぜなら、社会福祉法人は、税金がかからないため、民間企業より内部留保しやすいからです。

一部の社福の内部留保を法人役員の多額の天下り報酬や退職金に使われることはあってはならない。まず、法人の資産や借金など全てを区民に開示して、なぜ、「やまぶき荘」の改修費に42億円も必要なのかを、区民に説明して、議会で、もっと議論する必要がるのではないでしょうか。

「区立3特養大規模改修費100億円問題を考える会」を開設します。

本会議一般質問において、区立3特養大規模改修費に約100億円の税金が使われている問題を質問しました。また、やまぶき荘の改修費に42億円も税金が使われることは間違っていると反対討論しました。しかし、採決で反対したのは無会派れいわ新撰組の私一人、自民党から共産党まで、すべての議員は、この改修費100億円問題に賛成しました。議会に頼っていても何も変わらないこと実感しました。

そこで、北区で「区立3特養大規模改修費100億円問題を考える会」を開設します。北区市民オンブズマンによる、情報開示請求、請願、陳情、住民監査請求、行政訴訟等を行っていくつもりです。ご協力いただける方は、ご連絡ください。一緒に北区政を良くしましょう。